日本最上品質の麻の栽培地で伝統の麻ひき作業を見学(9月初旬)

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*画像:東吾妻町教育委員会提供

9月の始めに群馬県にある大麻栽培地にて麻ひき作業の見学をしてきました。
この地では、古来より麻を栽培していた伝統を保存するために、ごく少量ですが麻の栽培が行われています。
麻の栽培と精麻加工の伝統的技術を次の世代へと継承させるべく、地域に住む方々が保存会として麻の栽培を続けています。(ほんの数十年前までは、麻がこの地域の主要な作物で高値で売れたそうです。)

今回は、麻の繊維や糸について研究しているということで、保存会の方に特別に許可を頂いて見学させていただきました。

麻の栽培から精麻への加工までのすべてを伝統的な手法を用いて手作業で行われる麻は、日本最上級の品質を持つ麻とされています。
この地で栽培される麻は、宮内庁と伊勢神宮に献納する為に栽培されている特別な麻です。
年間の生産量は、約30キロ程度と少量でとても貴重な麻です。


収獲した麻の茎を天日で乾かした後に水に漬けて発酵させます。
発酵させることで皮が軟らかくなり茎から剥がれやすくなります。

直径1cmほどの麻の茎を3本ほどまとめて手に取り麻の皮を剥きます。茎3本からとれた繊維が1本の精麻となります。

麻の茎から皮を剥ぐ作業は、神社の軒下にゴザを敷いて行います。この作業は、主に女性の仕事とされています。

麻の茎から剥いた皮が一定の量になると男性へ渡されます。

麻の茎から皮を剥いで残ったものを苧殻(おがら)と呼ばれ、乾かした後に茅葺屋根の資材としても使われました。


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*画像:東吾妻町教育委員会提供

麻の茎から剥がれた皮から不要な部分を取り除き繊維だけにする作業を麻ひきと呼びます。
麻ひきは、熟練の技術を要します。綺麗に繊維だけになった上質なものだけが岩島麻というブランドになりました。

麻ひきして繊維だけになったものを吊るして乾かします。
乾いたものを精麻(せいま)と呼び、最上の品質の精麻を宮内庁や伊勢神宮へ献納します。
残った一部の精麻は、奈良晒し保存会のある奈良県月ヶ瀬や近江上布としても有名な滋賀県愛荘町の麻業者などに販売されます。

月ヶ瀬に販売する量は、ほんのごく少量で5年分をまとめてようやく一反の着尺になる程度とのことでした。
とても貴重な麻であることが分かります。

麻ひきをしたばかりの麻は、黄金色といえる綺麗な黄色でした。
栃木県の野州麻とはまた違う色です。品種や栽培される地域によっても麻の繊維にこれだけの違いが現れるようです。
各地の麻の繊維の違いについては、こちらの記事をご確認下さい。
群馬の大麻と栃木の大麻そしてタイのエシカルヘンプの繊維の違い

印象的だったのは、この地の麻の繊維は、とても強く手で引っ張っても切れない繊維の強さです。
この繊維の強さが大きな特徴のひとつで、布にするときにこの繊維の強さが重要になってくるそうです。
機で織るときに経糸が切れにくくなるということなのでしょうか?
伊勢神宮では、去年は栃木の麻を使用したそうですが、麻の繊維が弱く切れやすいため、今年はこの地の麻の繊維を使うことになったそうです。

麻の栽培から精麻への加工までを順に追って調査して来ました。
さて、これからはこの精麻の先へと向かいます。
精麻が糸になって機に掛けられ、布に成るさまをこの目で確かめたいと思います。

和麻織物(上布)の研究は、もうしばらく続きます。お付き合いくださいませ。


タイ工藝ムラカオリジナルのヘンプアイテム&エシカルファッション

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